2021/02/07に行われたポケモン映画5作品の一挙配信。投票で無印編一位となりトップバッターとなったのは『水の都の護神 ラティアスとラティオス』。逆襲はもういいという意思の表れである。同映画において最後にサトシにキスをしたのがカノンか、それともラティアスかという論争がある。
自分はかねてよりラティアス派だったが、配信を見て一夜明けて考えたことを書き留める。
前提として、意図的にどちらともとれる描写がされていることは疑いようもない。
・カノンはボンゴレさんに呼ばれるが見送りに来ていない。
・駆け付けたキャラはカノンの姿をしているが、一言も喋っていない。
・カノンの帽子が部屋に置いてある描写があるため、「帽子をかぶっていない＝ラティアス」と断定できない
・カスミの「あれはカノン？それともラティアス？」という台詞
サトシにキスをしたのがカノンだ、あるいはラティアスだと断定できる描写は意図的に排されており、カスミの台詞からも視聴者の判断に委ねる意図がわかる。
そのため、描写ではなく動機の面から推察するほかない。
まず自分の解釈としては、
・ラティアスはカノンの姿に扮してサトシを見送りに行った
・カノンはそれを知り、あえてサトシを見送りに行かない代わりに、自分の描いた絵をラティアスに預けた
・ラティアスはカノンから預かった絵をサトシに渡し、サトシにキスをした
といった流れ。さほど無理な解釈をしているつもりはない。
「カノンはサトシにキスをするほどの感情持ってないだろ」というのがラティアス派の主張として主だったものであり、自分も概ね同意だが、なんかカノンに失礼な気がするので深掘りはしない。
ラティアスがカノンに扮した理由は、街の中で悪目立ちしないためというのも考えられるが、それだとカノンが見送りに来ない理由がないため、いたずらか、照れ隠し、あるいはポケモンとのスキンシップなら慣れっこであろうサトシをドキドキさせるため、もしくはサトシと初めて会った時の姿で見送るという計らいかもしれない。
ラティアスがカノンに扮してサトシを見送るつもりと知ったカノンは「ラティアスのいたずらに協力してあげよう」と考えたが、ラティアスの真意は違って……みたいなこともあり得る。
プレゼントされた絵がカノンの気持ち、キスがラティアスの気持ちと考えれば別れのシーンとしてはきれいな終わり方となる。カノンが自分で絵を持ってきて、サトシにキスをしたとなれば、ラティアスはサトシを見送りに来なかったことになり疑問符が浮上する。
以下、サトシにキスをしたのがカノンであると仮定して検討する。
もし「カノンがキスをした」と仮定すると、ラティアスがサトシを見送りに来なかった理由が必要となる。可能性として一つ浮上するのは「ラティアスはサトシたちの出発を知らなかった」というもの。ボンゴレさんは直前まで知らなかったようだしあり得なくもない。
ただ、キスをしたのがカノンだとして、ボンゴレさんに呼ばれた時点で出てこなかったことや、「ありがとう」や「元気で」の一言もしゃべらなかったことは不自然であろう。カノンがわざとラティアスに扮していると考えることになる。
一つ目の可能性は、
・カノンはラティアスに先んじてサトシの出発を知った
・カノンはサトシを追いかけた
・照れ隠しのためにラティアスのふりをしながら、絵を渡し、キスをした
これだと完全に抜け駆けである。一緒にサトシを見送りに行くべきラティアスに黙ってサトシのもとに行き、サトシにキスをしたことになる。ラティアスと信頼関係を築いているカノンがそんなことをするとは考えにくい……というか自分は考えたくない。
二つ目の可能性は、
・カノンはラティアスに先んじてサトシの出発を知った
・ラティアスに知らせに行っても間に合わないと考えたカノンは、サトシを追いかけた。
・カノンは自分の気持ちとして絵を渡したのち、ラティアスの気持ちを伝えるために、ラティアスのふりをしてサトシにキスをした。
カノンがめちゃくちゃ体を張っていることになる。もっと自分を大切にしてほしい。というかこんな無理な主張をする人がいたら、諦めてラティアス派になってくれと説得する。
ラティアスが見送りに来なかった理由として、「知らなかった」以外に自分の考えうる可能性はもう一つあって、それが「渡された絵を描いたのがラティアスである」というもの。ラティアスに絵は描けないだろうというのは偏見であると気づいたのが今朝のこと。カノンが絵を描く描写はあれど、ラティアスが絵を描けない理由はない。こう考えると、
・カノンはサトシの出発を知った
・カノンはラティアスの描いた絵を持ち、サトシを追いかけた
・カノンはラティアスの思いを伝えるために、サトシに絵を渡した
・照れ隠しのためにラティアスのふりをしながら、サトシにキスをした
…,...
無理では？？？
