短足珍獣さん(@chinju16)発案、醤油さん(@showyu_boke)主催で開催された仲間大会「第一回珍獣歌う杯(うたう1on1)」に参加しました。
詳細なルールは↓
抜粋すると、
- 手持ち一体のシングルバトル、ノーマルルール。
- 覚えさせて良い技は「うたう」のみ。PPを増やすことも不可。
- 剣盾内で「うたう」を習得できる、または配信された*1ポケモンのみ使用可能
- ダイマックス禁止
- 意図的な時間切れ狙い禁止
基本的な試合の流れとしては「散々歌って寝た後、わるあがき合戦で決着をつける」というものになります。
・使用ポケモン紹介
マリルリ(NN:アズマ)@ゴツゴツメット
特性:ちからもち
努力値:76-220-212-0-0-0、ゆうかんミント使用
実数値:185-107-127-x-x-49
調整意図
HP……6n-1(ゴツゴツメットダメージ割合最小)かつ4n+1(わるあがき反動4耐え)
攻撃……余り
防御……A161鉢巻チラチーノわるあがき低乱数3発(急所非考慮で6.0%)
素早さ……最遅
・事前考察
まず最初に考えたのは「1番強い持ち物」。ここで考えたのはわるあがきという技の性能。タイプ不一致*2威力50という威力の低さに対し反動は最大HPの1/4*3と重い。まあこの技の性能が良かったらゲームとしておかしいのですが……
わるあがきの火力を上げて相手を殴り倒すという方針は、「うたう」習得ポケモンのステータスを見てもチラチーノやマリルリにしか狙えない。どちらかというと反動などの固定ダメージを相手に先に蓄積させて勝つほうが狙いやすいと判断。
そう考えたときに、わるあがきのダメージレースを有利にする「しんかのきせき」「こだわりハチマキ」などはあまり強くないと判断。固定ダメージの削り合いに関与する「ゴツゴツメット」「たべのこし」「フィラのみ」などに注目。自分はその中でもターンごとの削り量が最大HPの1/6と大きい「ゴツゴツメット」が今大会で最も強いアイテムと判断した。
次いで考えたのは「一番強いポケモン」。ここで求められる素質は3つ。
- 相手の先制うたうで眠るなど、相手に先にわるあがきを使わせるための素早さの低さ
- 相手チラチーノやマリルリなどのわるあがきで押し切られない程度の物理耐久
- 同時期にわるあがきを開始した場合、ダメージレースで押し込みをかけるためのわるあがき火力
これらを総合的に判断した結果、「マリルリ」が今大会で最も強いポケモンと判断した。ゴツゴツメット前提だとわるあがき火力はチラチーノに次いで2位、物理耐久はラプラスに次いで2位、素早さもラプラスやハピナスを下回る。
偶然にもうたう遺伝マリルリを以前育成していた*4ため、準備はスムーズに終わった。
ジラーチ2体と一緒にカレーを食べ、願掛けを行った
・試合内容
【短足グループ】
初戦:vs休歌さん(輝石ヒメンカ) ガラナ勝利
……下馬評だと「ゴツメ耐久型には有利」とされていた輝石ヒメンカとの対戦。16ターン目の時点ではこちら睡眠4ターン、相手睡眠7ターンとpp不利がついていたが、こちらのうたう外しが効いて相手のpp消費が追いつき、24ターン目で同時にわるあがき開始。火力とゴツメの分のダメージのアドバンテージから、こちらのゴツメマリルリの勝利となった。お互いの「うたう」の命中率や睡眠持続ターンをみても、極端なこちらの上振れとは考えにくい展開だったため、「素早さの低さ」はあまりアドバンテージとして機能しないのでは……?と考えた。
休歌さんの参加ポケモンは「やるきまんまんの こみや かほ」。事前から公言していたとおり証ヒメンカを使用し、強烈な印象を残した。休歌さんは試合内容を配信し、大会を盛り上げてくださった。
……こちらに極端に運が向いていた試合。序盤5ターンはお互いうたうを当て続ける一進一退の展開だったのだが、問題はその後10ターン。こちらのうたう3回は全く当たらないにも関わらず、相手のうたう3回が全て命中する始末。15ターン目の時点でこちら睡眠10ターンに対して相手の睡眠僅か1ターンという極端な差がつく。16ターン目からはこちらのうたうを受けて相手が最長眠り2回を引き当てるものの、pp差は覆りきらず、相手が先に3回わるあがきをして、反動とゴツメダメージでダウン。
3回目のわるあがきを受けてこちらは体力赤ゲージだったとはいえ、急所以外確定耐えの調整になっていたこと、またもしこちらが1回わるあがきをしていた場合は乱数次第とはいえ相手のわるあがき回数が2回に抑えられた可能性が高かったことから、極端な不利を運だけでまくったわけではないことを追記しておきたい。
ガラナが連射コントローラーで入力しているのに対して、アインズさんはRTA走者。お互いの素早い入力によって試合はとてもスムーズに進んだ。アインズさんは試合内容を録画しており、動画として公開される。今大会の貴重な映像資料となるであろう。
【ポケモン剣盾】 う た う 1 o n 1 - ニコニコ動画
6/5土曜日。同じく短足ブロックのテツポンドさんが参戦。(聞いた限りの話では)徹底した事前考察と豪運によって休歌さんとアインズさんを下す。私は6/6にテツポンドさんと対戦の予定だったが、その前に二人とも決勝ブロック進出が決まってしまったので、勝負は決勝ブロックに預けることに。
お隣の珍獣ブロックでは、ユキハミ1on1出場者でありリトルカップにも造詣が深い、まさにメタゲームの猛者というべきキギさんが3-0という圧倒的戦績で一位通過。ジョンさんも同日6/6に決勝ブロック進出を決定し、決勝ブロックが出揃うこととなった。
6/6夜。強敵・キギさんを出し抜くべく、私はある秘策に打って出た。
プクリン(NN:リタ)@ヒメリのみ
特性:おみとおし
努力値:236-20-252-0-0-0、のんきミント使用
実数値:245-93-106-x-x-58
調整意図
HP……6n-1(ゴツゴツメットダメージ割合最小)かつ4n+1(わるあがき反動4耐え)
攻撃……余り
防御……最大
素早さ……最遅
今大会では試合ごとに個体・持ち物の変更が可能である。キギさんはメタゲームの経験者であるためか型バレに対しては人一倍敏く、大会中に私含む参加者が発した情報にも目を通していらっしゃった。一方私は配信の許可や大会期間中の参加者同士の考察にも積極的で、私が予選ブロックの2戦でゴツメマリルリを使用していたことはほぼ公然となっていた。私のゴツメマリルリを警戒するのであれば、不利をとるハチマキアタッカー型のポケモンは使用してこないはずである。そこで、ほどほどの遅さと耐久を兼ね備え、対ハチマキアタッカーを除けばほぼ分の悪くない勝負が期待できるヒメリプクリンを起用したのだ。
願掛けも欠かさない
【決勝ブロック】
……冒頭10ターンの時点でお相手一睡もせず、こちら8ターン寝るというブレまくりの滑り出し。相手は18ターン目、こちらは28ターン目にヒメリのみを消費。相手のラプラスは31ターン目にわるあがきを開始。それをすかさずこちらのプクリンが眠らせるような展開が続き、41ターン目に相手が4回目のわるあがき。相手ラプラスのHPが残り1になったところで、ついに始まったこちらのプクリンのわるあがきでトドメをさして勝利。私のプクリンが、双方ヒメリのみという条件による41ターンもの激闘を制した。
……こちらは予選と同じゴツメマリルリを使用。先にわるあがきをしたのは相手のチラチーノだったが、こちらは直前21ターン目の相手の「うたう」でしっかり寝ており、そのまま最長眠りしながらわるあがきを三発受けきって勝利。同じ展開でも乱数や急所次第で18%ほどの負け筋があったため、決してイージーウィンではなかった。ジョンさんとキギさんは予選と決勝で二回対戦しているが、どちらも最後まで展開の読めない熱い戦いであり、予選ではキギさん、決勝ではジョンさんが勝つ結果となったという。
勝てば優勝が決定する自身最終戦・ガラナ対テツポンドさんの対戦は6/10木曜日。その日の朝、私はボックスにいる6体のうちどのポケモンを連れていくか悩んでいた。
ここで確認したのがテツポンドさんが大会期間中に公開していた記事。
素早さを下げる、ヒメリのみを持たせることなどによってわるあがきを後から繰り出すことができる可能性が上がるというもの。そして気になったのがテツポンドさんが予選で「豪運」を発揮していたということ(睡眠でのターン稼ぎがうまくいっていたらしい)。ということで、こちらは「先行悪あがきの展開に強いポケモン」を連れていくことにした。
チラチーノ(NN:シンシア)@こだわりハチマキ
特性:テクニシャン
努力値:20-252-236-0-0-0、ゆうかんミント使用
実数値:153-161-110-x-x-108
調整意図
HP……4n+1(わるあがき反動4耐え)
攻撃……最大
防御……余り
素早さ……最遅
もちろん願掛けを行った
第三戦:vsテツポンドさん(ゴツメピクシー) ガラナ勝利
……冒頭10ターンは相手最長眠り2回、こちら最速起き2回とテツポンドさん優勢。その後こちらがppの先走りを取り返す形で一進一退の展開が続き、22ターン目にこちらが最後のうたうを消費。すると相手の返しの「うたう」で眠ることができ、24ターン目に相手が先に悪あがき開始。最後の最後で最長眠りが効き、26ターン目にこちらのわるあがき+相手のわるあがき反動で勝ち。チラチーノは先に悪あがきする展開に強いとは言ったが、相手がゴツゴツメットを持っている場合は別。反動が大きすぎるため分が悪かった。終盤までどちらが勝つかわからない試合であった。
感想・振り返り
お陰様で、第一回珍獣歌う杯において、全勝優勝という結果を残すことができました。事前考察や周囲の方々との情報交換、そしてジラーチとカレーの加護(要するに運)あっての勝利でした。まずは私を勝利に導いてくれた全てのポケモンたちに感謝したいと思います。ありがとうございました。
私自身メタゲームの大会の経験がなく、大会期間前や期間中の言動に至らぬ点もあったかと思います。ご迷惑をおかけした方々へお詫び申し上げます。同時に、大会を発案した短足珍獣さん、運営してくださった醤油さん、harugamiさん、対戦してくださった参加者の皆さん、そして考察に参加してくださったり、大会を見届けて一緒に盛り上がってくださった全ての皆さんに、心から感謝申し上げます。本当に楽しい大会でした。ありがとうございました。
・リンク
……二戦目の相手・アインズさんの記事。違った切り口での考察がされていて参考になります。
……アインズさんの投稿なさった動画。大会唯一の動画アーカイブであり、編集も良くて見やすいので是非ご覧になってほしいです。
……終戦から1月半かかって満を持して公開された、珍獣ブロック・クロサナさんの考察記事。クロサナさんは予選全敗と結果こそ振るわなかったものの、事前考察量は断トツであり、私に初めて黒星をつけた方でもあります。
……上でも紹介した決勝進出者・テツポンドさんのプログラミング記事。この記事が環境考察に与えた影響は計り知れません。
……テツポンドさんが大会後に公開した記事。事前考察とポケモンの採用経緯、そして大会後の再考察のなかでどう評価が変化するかなどが記されていて、このルールの奥深さがよくわかる記事です。
……決勝進出者・キギさんの記事。非常にわかりやすい環境解説は必読です。
……準優勝者・ジョンさんの記事。環境分析、各試合の分析の詳細さから、大会の全貌を掴む非常に良い手がかりになる記事です。